カテゴリ:Story-事実は小説より奇なり?-( 7 )

大事な日



会いたくて会いたくて仕方ないのに
どうスッ転んでも会えないってわかってる
わかってんだから忘れていくのかな、って思ってたけど
忘れるどころか
ますます会いたくてたまんない

皮肉なもんだよね



そう言うと、彼女は濃紺のカーディガンを羽織った。
ここは冷えすぎている。
外は茹だるような暑さだというのに、
思わずホットティーを頼んでしまったほどだ。

彼女は、ホットコーヒー(といってもすでに冷えている)を飲み干すと、
「記念に新調した」バッグから手帳を取り出して開いた。


・・・もうずいぶん前のことなんだけどね
「いつまで経っても色褪せない」なんてベタな歌の中だけの話だと思ってた
だって、アタシがこんなに執着するなんて
・・・信じられる?


大きな目でこちらを見つめ、訊ねてくる。
その口調には答えへの期待が込められている。
・・・と感じた。

「信じられる?」なんて言われても、現に執着してるし・・・。

聞くなり、彼女は口を尖らせて手帳を睨んでいる。
どうやらあたしの答えに憤慨したようだ。
やっぱ否定しとくべきだったかな~・・・と少しだけ後悔して、
あたしは冷え切ったホットティーに手を伸ばした。

半分以上残っていたホットティーを全部飲んでしまう頃、
しばらく考え込んでいた彼女が口を開いた。


だって・・・
初めてだったんだもん、あんな人
今までに無かったタイプで
・・・強烈すぎた


一瞬、泣きそうな顔になる。
ドキッとしたけど、すぐに口を真一文字に結ぶと、
しっかりした口調で続けた。


でもね、これじゃダメだってわかってる
どこかできっと幸せにやってるはずだから
アタシも負けられない
・・・負けられないんだよ

そろそろ行かなきゃ



彼女はその華奢な腕に光る時計を見ながら、
テキパキと手帳や携帯をバッグに入れ始めた。
そんな姿を見ていると、なんだか胸が痛くなった。
あたしは先に立ち上がると、伝票を手に取った。

今日はお姉さんがごちそうしてあげる
そーゆーの、わからんでもないから

あたしはレジに向かう。
ガラにも無いことしちゃったなぁ、と
すこしだけ恥ずかしくなりながら、お会計を済ませる。

彼女は小走りでこちらにやってくると、
あたしに腕を絡ませ、グイグイと外へ引っ張る。


ありがとね
やっぱ好き


夕陽を受けながら、キラキラした笑顔を浮かべて大きく手を振ると、
またね、と言いながら彼女はあたしの腕から離れて行った。
「今日はね、大事な日なんだ」
彼女の言葉を繰り返しながら、後姿を見送った。

人ごみの中、ふと、いつかのあの人の香りがした。

「大事な日」が終わろうとしている。
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by lady_hypocrite | 2006-06-09 21:11 | Story-事実は小説より奇なり?-

スポーツマン


ドアを開けて外に出る。
街中の喧騒と、煌びやかなネオン。
蒸し暑い夜の空気にも負けない熱気。
久しぶりに会う仲間とのひと時はどうしてこうも心地好いんだろう。

『二次会行く人ー?カラオケだけどー』
いつものアイツが声を張り上げる。
どーする?行っとく?なんて相談してるコたち。
うん、そう、迎えにきてね、と携帯に向かって甘い声を出すコ。
行く行く!とノリノリのコたち。

時計を見ると22時。
まだ帰れる時間。
そんなことを思っていると、突然後ろから肩を抱かれる。
『もーちーろーん、行くよな?』
見ると、アイツ。
お酒のニオイと香水が程よく混じってなんとも言えない香りを醸し出す。
『え、ナニ?行かんの?行くっしょ?ね?行・く・よ・な?』
有無を言わせず強引にカウントされる。
まぁ、いいけど…。

部屋が空くまで少し時間があるらしい。
みんなで海に行くことに。
夜の海は、怖いとさえ感じるほどの静寂。
ただ、波の音と星のきらめき。

波打ち際ではしゃぐ集団から、少しだけ離れたところに座り込むアイツ。
そっと近づくと、さっきのお返し。
後ろから、自分よりも一回り大きい肩を抱く。
「タバコですかー、おにーさん」
チラッとこっちを見て、少しだけ笑う。
『オマエかよ…』
「ごめんねー、あたしなんかでー」
流木に座ろうとして、よいしょ、と思わず声が出る。
『それは無いと思うけど』
「うっさい。もう年なの」
『バカ。俺も同じだっつの』
思いっきり頭を叩かれる。
いつも思うけど、コイツは容赦ない。
もう少し気遣って欲しいくらいに…。
「いったいなぁ!あんたとは鍛え方が違うのー!」
『そんなん当たり前だボケ』
相変わらずな横顔を睨みつけて、星空を見上げる。
こんなだけど、隣は意外にも心地好い。
適当に気が抜ける雰囲気を持つ男。
付き合いが長いせいなのか、この男だからこそなのか。


『コーヒー飲みてぇ。。買ってきて?』
突拍子もないことを言い始める。
「あたしはあんたの何なのさ…」
『ん?パシリ』
「あんたアホじゃないのー?!」
『彼氏のタバコなら喜んで買いに行くんだろ?』
ニヤリと視線を向ける。
「ぐ。。てかタバコ吸わないんだ…」
少し熱くなった顔を隠すように、うつむいて、話をそらす。
ほんとに、なんでこうもあたしの弱いところを突くんだろう、この男。
『吸うわけないじゃん』
「え、え、え、なんでよ?」
『スポーツマンだから』
「なにそれー!!バカじゃないのー!!」
爆笑してしまった。
彼の口からそんな言葉が出てくるなんて。
苦しくなるほど笑うと、隣で少しスネた顔。
でも、そのくらい意外な言葉だった。

「本気?本気?」
必死に笑いを堪えて訊ねる。
『マジ。バスケットマンはタバコなんか吸わねーの』
「・・・。」
『酒も高校んときから飲むし、無免だってしたけど、タバコだけはしない』
「・・・。」

そういえば。
どうしようもないくらいバスケバカだった。
それは今も変わらないってわけだ。
妙に納得して、笑ってしまう。

あたしは勢いつけて立ち上がると、彼の頭をポンと叩く。
「あんた、意外とイイ男だね」
ふふふ、と笑って、あたしは波打ち際に向かって走り出す。
『バーカ』
ぼそっと呟く声を背に受けながら、笑いが止まらない。

みんなと一緒にはしゃぎながら、ふと振り返る。
やっぱり相変わらずぼんやりと座ってる。
"タバコ持ってたら、サマになりそうなんだけどな…"

言いかけた言葉は、波音に吸い込まれた。

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by lady_hypocrite | 2005-11-12 18:28 | Story-事実は小説より奇なり?-

彼と彼女



「ね、結婚したいって思うことある?」

あたしの横にいるこの男はマンガに夢中になっている。
よっぽどおもしろいらしく、さっきから何度も笑ってる。
きっとあたしの言葉は届いていない。
何かに夢中になるといつもこうだ。
小さくため息をついて覗き込んでみたが、全く気にしていない。

「ちょっと!聞いてる?」

さっきより少しだけ語気を強めて訊ねる。
彼はやっと顔を上げ、不思議そうにこちらを見つめる。

『え?なに?』
「なに、じゃなくて…結婚したいな、って思うこととかあるの?」
『ナニソレ、お前と?』
「そーじゃなくてさ…結婚願望とかあるのかな、と思って」

はぁ?と呆れたような声を漏らすと、笑って視線をマンガに戻す。
あたしは相変わらず無表情で覗き込む。
すると、マンガを読みながら、楽しそうに彼は言った。

『結婚願望なんてないよ』
「なんでよ?」
『俺は世界中を飛び回るからさ…やっぱ巻き込みたくないっしょ』
 
笑いながらサラリとすごいことを言う。
呆気に取られたあたしの頭の中で、様々なことが飛び交った。
そんなことをいつから考えていたんだろう?
なんの目的で世界中を飛び回るんだろう?
前に話してた夢はどうなったんだろう?
もしかして彼女と何かあったのかな?
そんなことを考えながら、どのくらい時間が経っただろう。
突然の彼の笑い声が、あたしを現実へと連れ戻した。
あたしはソファーに深く座りなおすと、また彼に投げかける。

「もしかしたら、相手がついてきてくれるかもよ?」

相変わらず隣ではページをめくる音と小さな笑い声。
また聞こえてないんだろうな、と思いながら、テーブルに手を伸ばす。
まだ湯気を立てている紅茶を飲みながら、夕暮れの空を眺めた。
最近は本当に日が暮れるのが早い。
過ごしやすい日が続いて、夜なんかは寒いくらい。
彼女1人で買い出し大丈夫だったかな、と思っていると、彼が話し始めた。

『でもさ、相手の親とかにも迷惑かけるじゃん…』
「何があってもついて行くわぁ、とか言ってくれるかもよ?」
『・・・そんな人怖いって』
「・・・本当に怖いって思うの?」

瞬間、あたしたちの間の空気が固くなり、彼が動揺を隠しきれないのが伝わってくる。
彼はまわりを見渡すと、1枚のハガキを手に取った。
それを読みかけのページに挟み、ポンっとテーブルに置いた。
視線を足元に向けると、ボソッと呟く。

『・・・深い愛は、怖い』

それっきり、彼は黙り込んでしまった。
あたしも黙り込んだ。
気づいてしまった。
あの夜の姿と重なる。
まっすぐTVを見つめ、流れてくる無機質なニュース番組の声をじっと聞いている。
あたしは紅茶をテーブルに置いて、ソファーにもたれかかり、同じようにTVを見る。
毎日どこかで起こる悲しい事件や、もう見飽きた政治家の顔が、流れては消えていく。
"あたし、ずっとりょーちゃんについていくんだっ"
あたしの頭の中を彼女の笑顔と言葉が流れては消えていった。
彼も同じことを考えていたと思う。
天気予報が終わると、彼は伸びをして、大きなため息をついた。
窓の外は、もう夜の帳が降りていた。

あたしは携帯が鳴っていたのを思い出し、見ると、メールが2通。
「今から帰るね。ケイタも一緒だよ」という彼女からのメール。
「ごめん!少し遅れる」という友達からのメール。
返信しようとボタンを押すと、ただいまぁー!という甲高い声。
大きな荷物を抱えて、バタバタと彼女が帰ってきた。
みんなで鍋パーティーをしよう、と彼女が言い出し、買い物に出かけていたのだ。
・・・あたしと彼を残して。

ちょうどそこでケイタに会ってさぁ、買い物にもついてきてもらっちゃった。
あ!野菜これで足りるかなぁ?
お肉はこれだけでいいよね、高かったし。

屈託の無い笑顔でお酒をテーブルの上に次々と並べていく。
まだ冷蔵庫入れとけよ、と笑って彼女の頭を小突く彼。
その眼差しはとても優しくて、でも、何故だか弱々しく見えた。
それに気づく様子もなく、笑顔でお菓子を並べる彼女。

--
たしか、あの夜もこんな風に集まって飲んだ日だった。
みんなが寝静まった後、彼が吐き出した言葉。

『アイツの…あの笑顔が怖いんだ』

今も彼女は彼の隣で笑っている。
変わらない思いを注ぎ続けている。
彼の変化に気づきもしないで。

--
あたしが残した紅茶は冷たくなって、ただまずいだけだった。
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by lady_hypocrite | 2005-10-03 05:16 | Story-事実は小説より奇なり?-

destiny


不意打ちだった。

どこまでいっても重なることができないなら、せめてずっと平行線でいたいと思う

夜行バスの改札を待ちながら彼女はそう言った。
暗がりの中、少し背の高い彼女を見上げる。
凛とした横顔、真っ直ぐ前を見据える彼女の瞳の奥に、一抹の寂しさを見た。
そう、確かにそこには寂しさがあった。
それなのに彼女はどうしてあんなにも強いのだろう。


--
彼の手から指輪が消えても、指輪の日焼け跡が消えても、
心から彼女が消えたとしても、そこに私の入り込む隙間なんてないの。

仕事柄、爪を短く切りそろえた彼女の指先が、ショーケースに触れる。
鈍い輝きを放つ、ツヤ消しのシルバーリング。
見つめる瞳が微かに輝いていた。

悔しいけど、悲しいけど、ずっと友達なの。
泣きたい夜だってあるし、泣いた夜もあった。
でも、彼の前では凛としていたいじゃない。
だから、時々こうやって弱音はいちゃうの。
ごめんね、いつもいつも。

彼女は突然歩き始めた。
あたしは小走りでついて行く。
歩くのが早いのも仕事柄?
ぼそっと呟いたつもりが、聞こえたらしい。
急に歩調を緩めると、男心ってわかんないよね、と。
まったくその通りだよ。

カップルとか恋人とか彼氏彼女とか
そんな既成概念がなくなっちゃえばいいのに。
そんなのがなかったら、私はたぶん彼に一番近いところにいると思う。
それを表す言葉とか無いから、友達に納まらなきゃならないのよ。


口を尖らせてまくしたてると、彼女はスッキリした笑顔であたしを見る。
思わずプッと吹き出して、2人で手を叩いて笑った。


--
時々悩んだり、泣きたくなることもあるけど。
でも、平行線でもいいかなって思ってる。
彼に一番近い平行線。
ずっとずっと。
だって私たちならきっと最強のコンビになれるはずだもん。
恋人でも、彼氏彼女でもないけど、最強のパートナーになれる。
・・・生温いのも心地良いけど、それに慣れちゃダメ。
本気でいこうね、本気で。

なんだか、胸が熱くなった。
そんなあたしの様子を察してか、彼女が頬をつねる。
痛い・・・けっこう本気で痛かった。


そんな顔しないで。
涙は、自分と、大切な人のために流しなさい。
こんな簡単に泣いちゃったら、お肌の水分量減るよ。

心までも痛くなった・・・いろんな意味で。
でも、涙はそうやって流すものだとしたら。
あたしは間違いなく彼女のためになくだろう。
彼女のために、なんて大げさなもんじゃないけれど。
彼女を思って泣くだろう。



あのとき彼女の瞳が輝いていたのは、指輪の輝きのせいではなく
指輪の輝きにも負けない彼女の涙のせいなのかもしれないな、と
窓に映った自分の涙を見て思った。
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by lady_hypocrite | 2005-09-19 17:23 | Story-事実は小説より奇なり?-

刹那


けーちゃんのばか。

「俺が変えたろか?」
あの時の言葉は未だに忘れられなかったり
あの時は本気で変えて欲しかったりしたんだよ
ドロ沼だったから
けーちゃんの言葉はけっこう響くモノがあったなぁ
「ま、お前さえおれば・・・」
そう言って笑ってたときは心臓が止まるかと思ったり
ときどき怖いことも言われたけど、今となってはイイ想い出
「抱きしめられるのと抱かれるのは単なるニュアンス違いやねんで」
立派な店長になれるようにがんばってね

あの夜の一億五千万+50円、出世払いでよろしくね。



何も語ることの無い笑顔に、そっと話しかけてみた。
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by lady_hypocrite | 2005-09-17 22:18 | Story-事実は小説より奇なり?-

としうえ? としした?


小さくて、可愛らしくて、子猫な雰囲気全開の友達。

とっても寂しがりで甘え上手。
同性のあたしもふにゃっとメロメロになっちゃうほど。
"守ってあげなきゃ"って気持ちにさせてくれる彼女。

年上で、優しくて、包容力がある。
これだけは譲れないの。
どんなときでもアタシを可愛がってくれて、守ってくれる。
やっぱりオトナの余裕がないとダメ。


納得。
今までの彼氏さんはそういう人ばかり。
そして彼女はそういう人に好かれやすい。
彼女自身、それをきちんと自覚してる。
だからますます魅力に磨きがかかってる・・・。

年上が好きだ、と言いつつも上手く甘えられないあたしとは違う。
彼女の甘え上手は天性のモノなんだろうな、と少しうらやましく思った。
彼氏に甘えている姿がすごくかわいい。
惚れそうなくらいかわいい。
本気でうらやましかったこともあり・・・。



そんな彼女が恋をした。
お相手はなんと年下くん。
友達の後輩らしい。
最近巷では年下ブームらしいけど。
ブームなんてなんのその、オトナ大好きGoing my way!!!と豪語した彼女が。
まさか彼女が。
ノロケてくれた。
延々と。
ただ1つだけ違うのは声のトーンが落ち着いてたこと。


好きになるのってずっと年上ばっかりだったから、戸惑ったよ、すごく。
自分から連絡とったりするのもなんかアレだし・・・。
年下のコに甘えるっていうのもね・・なんか躊躇いがあったし・・。
でもね、そうじゃなかったの。
年上とか年下とかそんな枠に囚われずに、彼を見つめられたから。
そしたら自然とうまくいったみたい。


穏やかな口調でそう語る彼女。
可愛らしい、守ってあげたい、そんな彼女はどこへやら。
大人になったなぁ・・なんてババくさいこと思ってしまった。



甘えたり、甘えられたり、とってもいい関係だよ。
甘えてばっかりだったけど、甘えられるのもいいね。
それだけで自信が湧いてくるんだもん。
必要とするだけじゃなくて、必要とされることも大事だね。
愛を注いでもらうだけじゃダメなんだってわかった。
愛ってすごいよね。
愛することの幸せを毎日感じてるんだぁ。


"ノロケ話をするときはお菓子でsweetな気分を盛り上げるの"
いつかそう言った彼女を思い出してあたしも自然と笑顔になる。


永遠のテーマ「愛」
答えは見つからないんだろうけど、確実に真ん中に近づいてる。
核心にどんどん近づいてる。
彼女は前に進んでる。


あーぁ・・・。
いつの間にか追い越されたなぁ・・・。
大人になったんだなぁ、あのコも・・・。

そんなことを思いながら大あくび。
電気を消して布団に入ったところでメール受信。


最近アタシ大人っぽくなったって言われるの!やっと年相応になれたのかな?
めちゃうれしいんだよね(はぁと)アタシも早くともちーみたいに大人になりたい♪
あ、イヤミじゃないからね★ おやすみ~(はぁと)



・・・悪気なんかこれっぽっちもない。
無邪気に地雷を踏んでいく。


やっぱりまだまだ可愛いよ(笑)
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by lady_hypocrite | 2005-08-21 15:09 | Story-事実は小説より奇なり?-

せかんど?


今日の彼女はやけに荒れていた。

ものすごい勢いで流れてくる文字。
いつもはとても無機質なそれが、今日はやけに響いてくる。
唇を尖らせて悪態をつく彼女の姿が容易に想像できた。

アイツには帰る場所がある。
あたしにはないのに。。
アイツしかいないのにアイツは他に帰る場所がある。
男はズルい!
口では上手いこと言っても結局はズルい!
いつも逃げ道を作ってる!!
あのコがダメになったらこっちに来るんよね。。
ズルすぎる!!


怒りと切なさと苦しさと寂しさをあたしにぶつけた彼女。
何を言えばいいのかわからずに困っているあたし。
しばらく続いた沈黙を先に破ったのは彼女だった。

でも、来てくれたらうれしい。。
あたしがアイツの帰る場所になれたら。。。
…こうやっていつも"if"ばっかり考えてんの。
あるはずないってわかってんだけどね。
悲しいけど、そう思ってないと、やってけない。。



どうやら"セカンド"状態が続いているらしい。
自分が一番、自分大好き、の彼女がセカンドに甘んじているなんて。
そんなに惚れ込んでしまったのだろうか。
セカンドでもいいからそばにいたい、とでも思ったのか。
彼女にそこまでさせてしまう男。
どんなに魅力的な男なのか、と興味津々。
会って、お話してみたい気もするけれど。
それは、ちょっとリスキーで。。


きっと彼女はそのうち1番になれると思う。
少しワガママな彼女の性格が功を奏すると思う。
キレイでちょっと変態で芸術家肌な、あたしの自慢の友達。
どうか、どうか、幸せになってほしい。


話聞いてくれてありがとう。
なんか、スッキリした。
ごめんね、遅くまで。
おやすみ!



突然そう言うと、彼女はまた、あたしのいない日常へと帰っていった。

"いつも応援してること、忘れないで"
やっと絞り出した言葉。
虚しく警告のメッセージが響く。

プライドが高くて、少しワガママで、少しだけ自分勝手。
でも、ほんとは照れ屋で涙もろいこと、わかってるから。
一方的に切られた会話も、許せてしまう。


自慢の友達。
きっと、幸せになってね。
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by lady_hypocrite | 2005-07-17 03:04 | Story-事実は小説より奇なり?-